シューフェンと二人の娘、イーアンとイージンは、台北の狭い家に引っ越す。シューフェンは夜市に小さな麺の店を開き、イーアンは路上の小さな店でビンロウを売る「ビンロウガール」として働く。まだ幼稚園に通う幼いイージンは、母親が働く夜市で自分なりの生き残り方を身につけていく。しかし、シューフェンの麺の店は高い家賃を賄えるほど稼げず、イーアンは店主と恋人同士ではあるものの、不安定な関係を続けている。ある日、イージンは祖父から、左手は「悪魔の手」で、左手ですることは「悪魔の仕業」だから左手を使うなと言われる。イージンはなぜか、自分の左手が自分でも知らないうちに何度も悪いことをしているように感じる。入り組んだ活気あふれる台北の夜市で、母と二人の娘はそれぞれの問題を抱えて奮闘する。『左利きの少女』は、手持ち撮影、鮮明な色彩、テンポの速い編集などを通じて生気に満ちた台北の夜景を描く一方、都市に流入した母娘三人が直面する経済的、心理的困窮を、写実的でありながら時にユーモラスな方法で表現する。それぞれに際立った個性を持つ母娘三人、とりわけ愛らしいイージンの目を通して見た街と人々が魅力的だ。『左利きの少女』は、ショーン・ベイカー監督と長年仕事を共にしてきたプロデューサーであり、『テイクアウト』(2004年)の共同監督でもあるツォウ・シーチンの監督第2作で、ショーン・ベイカー監督が共同脚本、編集、プロデュースを担当した。