3日間にわたる逃亡劇を3人の視点から描いたミステリー・サスペンス。街を徘徊するタクヤとマモルは、SNSで女性になりすまして孤独な男性たちを誘惑し、身分の闇取引を繰り返している。貧困の連鎖から抜け出すための手軽な金稼ぎとして始めたものの、いつの間にか犯罪組織に深く足を踏み入れた二人は、兄のように親しかったカジタニの助けを借りて抜け出そうとする。空前のヒットを記録したNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』の北村匠海と綾野剛が再び共演し、新人の林 裕太が加わった。大藪春彦文学賞新人賞を受賞した西尾潤の原作小説を、日本アカデミー賞を受賞した脚本家の向井康介が脚色し、岩井俊二の助監督を務めた永田琴が監督を担った。犯罪映画の主人公たちの行く末は、たいてい悲劇へと向かうものだ。タクヤ、マモル、カジタニもまた、自分たちの未来が不透明であることを知っているだろう。それでも彼らは、華やかな光と暗い影、日常と非日常、善と悪、欲望と絶望の境界で、一歩ずつ前へ踏み出すことをためらわない。『愚か者の身分』は複雑な人間心理劇であり、若者たちの成長物語であり、暴力が現実に深く入り込んだ現代の大都市を冷徹に映し出す自画像である。
*西尾潤の小説『愚か者の身分』を原作とする