1966年、ミシシッピ。著名な公民権運動家だったヴァーノン・ダーマーが、過激な人種主義者たちの襲撃によって死亡する。この事件を追うため、FBI長官の非公式な許可を得て、黒人FBI捜査官ウェインとマフィアの殺し屋スカルパがチームを組む。FBIがマフィアの一員を情報提供者として利用し、協力していた実話に基づく本作は、人種主義が蔓延する時代を背景に、黒人捜査官と白人マフィアというどこか不条理なコンビを描くと同時に、そこへ現代の政治的風景を周到に重ね合わせる。信念と暴力と政治は、どれほど遠く、あるいは近いのか? そこで何が正当で、何が不当なのかを、どうすれば知ることができるのか? 『By Any Means』は、これらに対する一種の問いであると同時に答えとなるべく、猛然と突き進む。特にマーク・ウォールバーグの起用は、映画の商業的な決断であると同時に、政治的な身ぶりにもなっている。
エレガンス・ブラットンは、アメリカの映画作家、脚本家、プロデューサーである。ドキュメンタリー『Pier Kids』(2019年)で、インディペンデント・スピリット賞のトゥルーアー・ザン・フィクション賞を受賞した。自伝的な長編デビュー作『インスペクション ここで生きる』(2022年)は、トロント国際映画祭のディスカバリー部門のオープニング作品に選ばれた。2023年には、『Variety』の「注目すべき10人の監督」の一人に選ばれた。『By Any Means』は彼の長編第2作である。