仕事に追われるなか、久しぶりに故郷へ帰ってきた真尋。身近だった夏の風景も、都会で暮らす彼女にはどこか遠く感じられる。ある日、弟とその仲間たちに巻き込まれ、真尋は思いがけず“小さな存在”に出会う。それは、子どものころなら夢中になって追いかけていたはずの奇妙な出来事だった。最初は信じていなかった真尋も、弟たちの好奇心に触れるうち、いつしかその小さな存在を追いかけはじめる。やがて、忘れていた記憶や感情が、子どもたちと過ごす時間とともに少しずつ甦っていく。大人になることで見えなくなったもの。子どものころには確かに見えていたもの。ひと夏の不思議な奇跡が、真尋の心をそっと揺さぶっていく。