父の死後、舞台俳優のニサイはニューヨークから故郷プノンペンに戻り、ティダと再会する。映画は、二人が恋人同士だった時から7年が過ぎた現在と、二人がともに舞台の主役だった過去を行き来する。華やかな主役だったニサイとティダは舞台上で完全な愛の表現を見いだすが、人生ではほろ苦い別れを告げなければならない。女性クィア映画『Whisperings of the Moon』は、人生の中で自分自身を表現することと舞台上での演技ワークショップを交差させながら、自らのアイデンティティを発見し、外部と意思を通わせる過程を意義深く描き出す。揺れるハンドヘルド撮影のカメラがニサイの混乱した感情を代弁するとき、私たちはいつしかニサイの目を通して人生を見るようになる。