マニラ郊外の豪華なカントリークラブ。ここは、フィリピン社会に色濃く影を落とす植民地主義の亡霊と、いびつな階級構造が凝縮された縮図である。ゴルファーがスイングする前にボールを置く「ティーガール」として働き始めた17歳の少女イサベルは、クラブの総支配人であるパランカ博士に不思議な感情を抱く。一方、実業家レナトは、アメリカから来た姪のクララとラウンドを回りながら、家業を継ぐよう執拗に説得する。深刻な干ばつのため外では水が配給制となっているのに、フェアウェイには水があふれるという不条理の中、彼らの入り組んだ関係は、リゾートが隠してきた残酷な真実へと向かう。ベルリンで短編部門の銀熊賞を受賞した同名作を長編に発展させたラファエル・マヌエルのデビュー作で、ジャ・ジャンクーが製作総指揮を務めた。今年のサンダンスで注目を集めた本作により、監督はフィリピン映画界の新たな才能として頭角を現した。4:3の画面に収められた緻密な構図、魅惑的な色彩のコントラスト、精密に制御されたミザンセーヌが、強烈な感覚的体験をもたらす。