深夜にアルバイトを終え、オートバイで帰宅していたユージエは交通事故に遭う。大学生でウェブデザイナーのユージエには、3年間失業中の父親と、そんな父親とはほとんど口を利かず、子どもたちだけに心を注ぐ母親、思春期に入ったばかりの妹がいる。事故を起こした引退後の老人は、自宅をユージエに譲り、治療費と生活費を毎月支払うことで賠償責任を果たそうとするが、今も罪悪感に苦しんでいる。一方、経済的にも感情的にも危うい状態にあったユージエの家族は、再び温かな夕食を共にする「家族」になっていき、ユージエは同年代のリハビリ療法士イーハンと出会い、心を通わせ始める。しかし、束の間の「平凡な」幸福は長く続かない。2005年に長編デビュー作『The Shoe Fairy』でニューカレンツ部門に招待されたリー・ユンチャン監督が、重厚な長編映画とともに帰ってきた。今回は、より冷徹になった現実認識を通して人生の皮肉を描き、それでも生きていくしかない人々の物語を一つひとつ積み重ね、密度の高い物語を紡ぎ上げた。リー・ユンチャン監督は、静観と憐憫の間にある微妙な距離を失わない均衡の取れた演出で、また一つ記憶に残る台湾の家族ドラマを完成させた。