30分も歩けばすべて見て回れる小さな町、ルオムにあるゲストハウス。バイは、3年前に受け取った、ずっと前に別れた恋人ワンからの一枚の葉書を手に、ここを訪れる。「ルオムの黄昏」と書かれた意味の分からない葉書を持って町を歩くうちに、バイは至る所でワンの痕跡を見つける。いつもワイングラスを手にしているゲストハウスの主人リウとそのボーイフレンドのホアン、リウの飲み友達シャオペン、そしてゲストハウスを訪れる客や町の住民など、さまざまな人々がバイの日常に現れ、静かに数日滞在して帰るつもりだったバイの計画は、少しばかり騒がしくなる。しばらく韓国を舞台に活動していたチャン・リュル監督が、再び中国に戻って作った3作目の映画『Gloaming in Luomu』は、これまでの作品と同様に温かく、時にユーモラスだ。ぽつり、ぽつりと投げかけるように交わされる登場人物たちの会話は、些細なこともあれば、時に深い傷をあらわにすることもあるが、変わらず率直で温かく、それぞれに欠点を抱えた登場人物たちは妙に魅力的だ。都市の散歩者を自任していたチャン・リュルのカメラは、『Gloaming in Luomu』ではバイに従って狭い町の道を歩き、立ち止まって360度パンしながら、この小さな町を取り囲む大小の山々と、そこに降りた黄昏を捉える。テクノのリズムに編曲された「アリラン」に合わせて登場人物たちが思い思いに踊る場面には、チャン・リュル映画のずれたリズムが映し出す温かなユーモアと慰めがある。