隅々まで整備されたカントリークラブ。歌や踊りで迎えられた客は、豪華な食事を味わい、美しく刈り込まれた芝生の風景を楽しむ。その傍らで働きはじめた17歳のイサベルは、客に仕えるための言葉遣いを覚えていく。やがて出会った会長パランカが話すのは、彼女の故郷イロコスの言葉だった。言葉を交わすうち、立場の異なるふたりは距離を縮めていく。だが、その故郷でイサベルの家族は土地を追われていた。ラファエル・マヌエルの長編デビュー作は、広大なゴルフ場をあえて4:3の画面に収め、人物を上下に配することで、会員制クラブの日常を階級社会のジオラマとして映し出す。同じ土地の上で隔てられた生を、ひとつの画面に隣り合わせる。第99回アカデミー賞®国際長編映画賞フィリピン代表選出作。