前作『ミュージック』(24)が日本でも劇場公開されたアンゲラ・シャーネレクの最新作。クレーン運転手のトーマスは、仕事中に妻のカーラから病院に迎えに来てほしいとの連絡を受ける。カーラは交通事故に遭い、本人は無事だったが車に同乗していた男性は死亡していた。そこでトーマスは、妻がダンス教室で出会った若い男性と密かに親密な関係を重ねていたことを知る…。シャーネレクはドラマチックなストーリー展開を避け、長い固定ショットや人工的とも言えるセリフ回しにより、人と人とのコミュニケーションの不可能性を描く。シャーネレクの独特なスタイルが極まった傑作である。第76回ベルリン映画祭コンペティションで上映された。