ニンは妻と別れ、母親と二人で暮らしている。時折、妻や子どもたちに会うものの、思いを伝え、関係を修復するのは容易ではない。ニンの仕事は騒音計を設置することだ。騒音が一定のレベルを超えると、ライトが点灯する。村の入り口には、住民たちの社交の場であり解放区でもある食堂がある。夜になると、そこは噴き出す騒音と青い光に染まる。長編デビュー作『Taste』で、2021年ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門の審査員特別賞を受賞したレ・バオ監督の第2作。音を測る男の日常を追いながら、愛する者たちの間に積み重なった沈黙と距離を見つめる。「聞くこと」を前面に掲げた作品だけにサウンドデザインも見事だが、それに劣らず、定規で測ったかのような構図と、豊かで鮮明な色彩によって、各場面が一幅の絵のように感じられる視覚体験も卓越している。